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御明
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みあかし
田辺が家は
御明灯心の
類を商ひぬれば、
二一八所せく人の入りたちける中に、都の人の忍びの
詣と見えて、いと
二一九よろしき女一人、
丫鬟一人、
二二〇薫物もとむとてここに立ちよる。
父親が
佛壇に
御明を
點ずる
間に、
母親は、
財布の
紐を
結へながら、
駈けて
出て
之を
懷中に
入れさせる、
女中がシヨオルをきせかける、
隣の
女房が、
急いで
腕車を
仕立に
行く、とかうする
内
壇に捧ぐる
御明の
大燭臺の
心にして
御明の消て夜寒や
轡むし 里東
壇に捧ぐる
御明の
大燭台の
心にして