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往来
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ゆきか
ふりがな文庫
“
往来
(
ゆきか
)” の例文
旧字:
往來
こう、途絶え途絶え、ちらほらこの処を
往来
(
ゆきか
)
う姿は、あたかも様々の形した、切れ切れの雲が、動いて、その
面
(
おもて
)
を渡るに
斉
(
ひと
)
しい。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
みな
表町
(
おもてまち
)
なる
大通
(
おおどおり
)
の富有の家に飼われしなりき。
夕越
(
ゆうごえ
)
くれば一斉に
塒
(
ねぐら
)
に帰る。やや人足繁く、
戸外
(
おもて
)
を
往来
(
ゆきか
)
うが皆あおぎて見つ。楓にはいろいろのもの結ばれたり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また一つ細く成る廊下を縫うと、其処にも、
此処
(
ここ
)
にも、二三人、四五人ずつは男、女が
往来
(
ゆきか
)
う、
彳
(
たたず
)
む。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
幸いに
可忌
(
いまわし
)
い坊主の影は、公園の一
木
(
ぼく
)
一草をも妨げず。また……人の
往来
(
ゆきか
)
うさえほとんどない。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
幸ひに
可忌
(
いまわし
)
い坊主の影は、公園の一
木
(
ぼく
)
一
草
(
そう
)
をも
妨
(
さまた
)
げず。又……人の
往来
(
ゆきか
)
ふさへ
殆
(
ほとん
)
どない。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
二階の
燈
(
ひ
)
と、三階の燈と、店の燈と、街路の燈と、
蒼
(
あお
)
に、
萌黄
(
もえぎ
)
に、
紅
(
くれない
)
に、
寸隙
(
すきま
)
なく
鏤
(
ちりば
)
められた、
綾
(
あや
)
の幕ぞと見る程に、八重に
往来
(
ゆきか
)
う人影に、たちまち
寸々
(
ずたずた
)
と引分けられ、さらさらと風に連れて
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
媚
(
なまめ
)
かしい、
紅
(
べに
)
がら
格子
(
ごうし
)
を五六軒見たあとは、
細流
(
せせらぎ
)
が流れて、薬師山を一方に、
呉羽神社
(
くれはじんじゃ
)
の大鳥居前を過ぎたあたりから、
往来
(
ゆきか
)
う人も、来る人も、なくなって、古ぼけた
酒店
(
さかみせ
)
の杉葉の
下
(
もと
)
に、茶と黒と
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
往
常用漢字
小5
部首:⼻
8画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“往来”で始まる語句
往来中
往来際
往来止
往来側
往来傍
往来状
往来繁
往来餽遺