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弓杖
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ゆんづえ
ふりがな文庫
“
弓杖
(
ゆんづえ
)” の例文
それみろ、と何か
早
(
や
)
や、勝ち誇った
気構
(
きがま
)
えして、蘆の穂を
頬摺
(
ほほず
)
りに、と
弓杖
(
ゆんづえ
)
をついた処は
可
(
よ
)
かったが、同時に目の着く
潮
(
うしお
)
のさし口。
海の使者
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それにかこまれて、
沙金
(
しゃきん
)
は一人、黒い
水干
(
すいかん
)
に
太刀
(
たち
)
をはいて、
胡簶
(
やなぐい
)
を背に
弓杖
(
ゆんづえ
)
をつきながら、一同を見渡して、あでやかな口を開いた。——
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼は
這
(
は
)
いながら岩の上に降りて来ると、
弓杖
(
ゆんづえ
)
ついて
崩
(
くず
)
れた
角髪
(
みずら
)
をかき上げながら、
渦巻
(
うずま
)
く
蔓
(
つる
)
の
刺青
(
ほりもの
)
を描いた唇を泉につけた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
自分は
弓杖
(
ゆんづえ
)
を突いて……というのも
凄
(
すさ
)
まじいがいわゆる弓杖を突いて、あたりに敵もいないのに、立木を敵と見廻してきっとして威張ッていた。
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
弓杖
(
ゆんづえ
)
ついて、ここを登り下りしたことやら、餓死寸前にあった城兵の、あの顔、この顔、みな土に爪を立てながら生き抜こうとした
凄
(
すさ
)
まじい人間の一心と団結力が
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
沙金は、この騒ぎのうちにも冷然とたたずみながら、ことさら月の光にそむきいて、
弓杖
(
ゆんづえ
)
をついたまま、口角の微笑もかくさず、じっと矢の飛びかうのを、ながめている。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「たれか、あれを拾うて、兄上へ差上げい。おくるしそうだ。
弓杖
(
ゆんづえ
)
にして行かれるといい」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弓
常用漢字
小2
部首:⼸
3画
杖
漢検準1級
部首:⽊
7画
“弓”で始まる語句
弓
弓弦
弓箭
弓矢
弓形
弓勢
弓削
弓張
弓張提灯
弓場