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廃址
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はいし
ふりがな文庫
“
廃址
(
はいし
)” の例文
旧字:
廢址
小なる者は
長添
(
ながそえ
)
山と為す、松倉伊賀の
廃址
(
はいし
)
なり。山川の間人戸一千、士農あり、工商ありと。これ彼が
自
(
みず
)
から語れる故郷の光景なり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
溝渠
(
こうきょ
)
の
廃址
(
はいし
)
の赤黒い
迫持
(
せりもち
)
の下には
白巴旦杏
(
しろはたんきょう
)
が咲いていた。よみがえったローマ平野の中には、草の波と揚々たる
罌粟
(
けし
)
の炎とがうねっていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
しかし私の好んで日和下駄を曳摺る東京市中の
廃址
(
はいし
)
は唯私一個人にのみ興趣を催させるばかりで容易にその特徴を説明することの出来ない平凡な景色である。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
毎
(
いつ
)
も人を食う奴は勢
竭
(
つ
)
き歯弱れる老虎で村落近く棲み野獣よりも人を捉うるを便とす、草野と沼沢に棲む事多きも林中にも住み、また古建築の
廃址
(
はいし
)
に居るを好く
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
葉子は
忘却
(
ぼうきゃく
)
の
廃址
(
はいし
)
の中から、
生々
(
なまなま
)
とした少年の大理石像を掘りあてた人のようにおもしろがった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
聖書を以てユダヤ思想の
廃址
(
はいし
)
と見るは大なる誤謬である。そのしからざるを証するものは少なくないが、ヨブ記の如きはその最たるものである。さればヨブ記は特に普遍的の書物である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
あそこには
廃址
(
はいし
)
や、カシワの森や、むかしの言いつたえがあったわね。それから、エム川の流れている、あの谷も思いだしてごらん。村や、
製粉所
(
せいふんじょ
)
や、
製材所
(
せいざいしょ
)
や、
指物工場
(
さしものこうじょう
)
があったでしょう!
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
現代ローマの
気障
(
きざ
)
な建築物中における、古代殿堂の
廃址
(
はいし
)
のように、それは近代の工芸品の中にそびえ立っていた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
丁度焼跡の
荒地
(
あれち
)
に建つ仮小屋の間を
彷徨
(
さまよ
)
うような、明治の都市の一隅において、われわれがただ僅か、壮麗なる過去の面影に接し得るのは、この霊廟、この
廃址
(
はいし
)
ばかりではないか。
霊廟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
また、
泥
(
どろ
)
で赤く濁ってあたかも土地が歩き出してるようなテヴェレ河のほとり——
大洪水
(
だいこうずい
)
以前の怪物の巨大な背骨みたいな
溝渠
(
こうきょ
)
の
廃址
(
はいし
)
に沿って、
広漠
(
こうばく
)
たるローマ平野の中をさまようた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“廃址”の意味
《名詞》
城塞や建造物が廃れた址。廃墟。
(出典:Wiktionary)
廃
常用漢字
中学
部首:⼴
12画
址
漢検1級
部首:⼟
7画
“廃”で始まる語句
廃
廃墟
廃頽
廃屋
廃嫡
廃物
廃止
廃頽的
廃頽期
廃娼