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幽婉
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ゆうえん
ふりがな文庫
“
幽婉
(
ゆうえん
)” の例文
そは戦敗の黒幕に
蔽
(
おお
)
われ、
手向
(
たむけ
)
の花束にかざられたストラスブルグの石像あるがために、
一層
(
いっそう
)
偉大に、一層
幽婉
(
ゆうえん
)
になったではないか。
曇天
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
即ち、よく歌うクライスラーや、快刀乱麻を断つのフーベルマンや、冷美
幽婉
(
ゆうえん
)
のゴールドベルクに委ねるのになんの不思議があろう。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
自然の
生息
(
いぶき
)
そのままの姿態でそれがひとしお都会では
幽婉
(
ゆうえん
)
に見えるのだったが、それだけまた葉子は都会離れしているのだった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
辞世の歌の「限りあれば吹かねど花は散るものを心短き春の山風」の一章は誰しも
感歎
(
かんたん
)
するが実に
幽婉
(
ゆうえん
)
雅麗で、時や
祐
(
たす
)
けず、天
吾
(
われ
)
を
亡
(
うしな
)
う
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それが
動
(
やや
)
もすれば
幽婉
(
ゆうえん
)
の天地と同化して情熱の高潮に達し易い
此頃
(
このごろ
)
の人の心を表わしているようだ。
釜沢行
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
▼ もっと見る
高踏派の壮麗体を訳すに当りて、多く
所謂
(
いはゆる
)
七五調を基としたる詩形を用ゐ、象徴派の
幽婉
(
ゆうえん
)
体を
翻
(
ほん
)
するに多少の変格を
敢
(
あへ
)
てしたるは、その
各
(
おのおの
)
の原調に適合せしめむが
為
(
ため
)
なり。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
殊
(
こと
)
に歌麿板画のいひ
現
(
あらわ
)
しがたき色調をいひ現すに
此
(
か
)
くの如き
幽婉
(
ゆうえん
)
の文辞を以てしたるもの実に文豪ゴンクウルを
措
(
お
)
いて他に求むべくもあらず。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
第一楽章の
幽婉
(
ゆうえん
)
さと第二楽章の優麗さに続いて、第三楽章の燃え立つような情熱と、その
豪宕
(
ごうとう
)
壮快な美しきの対照は見事だ。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
庸三は松川のマダムとして初めて彼女を見た瞬間から、その
幽婉
(
ゆうえん
)
な姿に何か圧倒的なものを
仄
(
ほの
)
かに感じていたのではあったが、彼女がそんなに接近して来ようとは夢にも思っていなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
これも吹込みは新しくないが、世紀の三重奏団とも言うべきカサルス・トリオの傑作の一つで、この
幽婉
(
ゆうえん
)
さは比類もない。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
これを浮世絵に見れば鳥居派の
外
(
ほか
)
新
(
あらた
)
に奥村一派の
幽婉
(
ゆうえん
)
なる画風と漆絵の華美なる
彩色
(
さいしき
)
現はれぬ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一台のピアノから産み出す音楽として、これほど壮麗
幽婉
(
ゆうえん
)
な芸術を、誰が果してショパン以前に想像し得たであろう。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
春信の板画の
幽婉
(
ゆうえん
)
高雅にして詩味に富めるはむしろ科学の閑却に
基
(
もとづ
)
けるものの如し。春信の男女は単にその当時の衣服を着するのみにしてその感情においては永遠の女性と男性とに過ぎざるなり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その清新
幽婉
(
ゆうえん
)
な演奏は誰でも魅了せずには措かない。惜しいことに評判は大したものだが、レコードは至って少く、コロムビアの世界名盤集の中にある一枚を除けば、僅かに二枚だ。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
幽
常用漢字
中学
部首:⼳
9画
婉
漢検1級
部首:⼥
11画
“幽婉”で始まる語句
幽婉縹渺