幕張まくば)” の例文
「江戸名物、女軽業大一座おんなかるわざおおいちざ」——本堂の屋根よりも高く幕張まくばりをした小屋。泥絵具どろえのぐで描いた看板の強い色彩。
「あの幕張まくばりの中へかついでいったさむらいはかまが、にあかくまりましたから、それにそういないと思います。龍太郎りゅうたろうさま、はやく、あれへいって咲耶子さまを取りかえしてください」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此の相撲場は細川越中守ほそかわえっちゅうのかみ様御免の相撲場ということで、木村權六きむらごんろくという人が只今もって住んで居ります、縮緬ちりめん幕張まくばりを致して、田舎相撲でも立派な者で近郷からも随分見物が参ります
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いつものとおりおいのりをすましてしまいますと、おりからはぎやすすきのみだれたあきうつくしい景色けしきをながめながら、保名主従やすなしゅじゅうはしばらくそこにやすんで、幕張まくばりの中でお酒盛さかもりをはじめました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)