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常磐樹
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ときわぎ
ふりがな文庫
“
常磐樹
(
ときわぎ
)” の例文
翠緑
(
みどり
)
眼醒めんばかりの
常磐樹
(
ときわぎ
)
が美しい林間の逍遥路を作り、林泉の女神の彫刻の傍にはいずれが女神と見紛う真っ白な肌も
露
(
あらわ
)
に
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
もう色のあるものと云っては、
常磐樹
(
ときわぎ
)
に交って、梅もどきやなんぞのような、赤い実のなっている木が、あちこちに残っているばかりである。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
縁側を越えて、奥庭の広い芝生にあたる日光の流れや、
常磐樹
(
ときわぎ
)
の茂みに薄赤く咲き乱れる桜や、小鳥の囀りが聞える。何というおだやかな静かさであろう。
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
東北
(
ひがしきた
)
に開けた窓の外には、細くてしかも
勁
(
つよ
)
い
樫
(
かし
)
の樹の枝が隣家の庭の方から延びて来ていて、もうそろそろ
冬支度
(
ふゆじたく
)
をするかのような
常磐樹
(
ときわぎ
)
らしい若葉が深い色に輝いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
境内は
常磐樹
(
ときわぎ
)
のしとりで水を打ったかと思うばかり、
塵
(
ちり
)
一
(
ひと
)
っ
葉
(
ぱ
)
もなしに、
神寂
(
かみさ
)
びまして、土の香がプンとする、階段の
許
(
とこ
)
まで参りますと、向うでは、待っていたという形。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
やがてその新芽がだんだん延びて、
常磐樹
(
ときわぎ
)
らしく落ちついた、光沢のある新緑の葉を展開し終えるころには、落葉樹の若葉は深い緑色に落ちついて、もう色の動きを見せなくなる。
京の四季
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
此処で景子達は
一寸
(
ちょっと
)
立止まって足を休めた。それから
鬱蒼
(
うっそう
)
として茂る
常磐樹
(
ときわぎ
)
の並木を抜けると眼前が急に明るく開けてロンドン市の
端
(
は
)
ずれを感ぜしめるコンクリートの広い道路が現われる。
ガルスワーシーの家
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
眼をよろこばせる
常磐樹
(
ときわぎ
)
のみどり。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
無人
(
むにん
)
の境だと聞いただけに、蛇類のおそれ、雑草が伸茂って、道を
蔽
(
おお
)
うていそうだったのが、敷石が一筋、すっと正面の階段まで、
常磐樹
(
ときわぎ
)
の落葉さえ、五枚六枚数うるばかり
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
多くの
常磐樹
(
ときわぎ
)
の緑がここでは重く黒ずんで見えるのも、自然の消息を語っている。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
常
常用漢字
小5
部首:⼱
11画
磐
漢検準1級
部首:⽯
15画
樹
常用漢字
小6
部首:⽊
16画
“常磐”で始まる語句
常磐木
常磐津
常磐
常磐橋
常磐会
常磐町
常磐館
常磐御前
常磐屋
常磐香