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トコヨ
ふりがな文庫
“
常世
(
トコヨ
)” の例文
駿河ではやつた
常世
(
トコヨ
)
神(継体紀)、九州から東漸した八幡の信仰の模様は、新神の威力が、如何に人々の心を動したかを見せて居る。
国文学の発生(第二稿)
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
常世
(
トコヨ
)
と称する異郷から、「まれびと」と言ふべき異人が週期的に、此
土
(
くに
)
を訪れたのである。さうしてその都度、儀礼と呪詞とを齎らした。
唱導文学:――序説として――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
私は、大正九年の春の国学院雑誌に「
妣
(
ハヽ
)
が国へ・
常世
(
トコヨ
)
へ」と言ふ小論文を書いた。其考へ方は、今からは恥しい程合理式な態度であつた。
信太妻の話
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
常世
(
トコヨ
)
と言ふ語の、記・紀などの古書に出た順序を、
直様
(
すぐさま
)
意義分化の順序だ、との早合点に固執して貰うて居ては、甚だお話がしにくいのである。
妣が国へ・常世へ
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
ともあれ、海のあなたに、
常世
(
トコヨ
)
の国を考へる様になつてからの新しい民譚が、古い人々の上にかけられて居ることが多いのだ、とさう思ふのである。
妣が国へ・常世へ
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
過ぎ来た方をふり返る
妣
(
ハヽ
)
が国の考へに関して、別な意味の、
常世
(
トコヨ
)
の国のあくがれが出て来た。ほんとうの異郷趣味(えきぞちしずむ)が、始まるのである。
妣が国へ・常世へ
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
其神の常在る国を、大空に観じては
高天
(
タカマ
)
个
原
(
ハラ
)
と言ひ、海のあなたと考へる村人は、
常世
(
トコヨ
)
の国と名づけて居た。
「とこよ」と「まれびと」と
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
顕宗紀の室寿詞は「我が
常世
(
トコヨ
)
たち」の文句を結んでゐます。此は、正客なる
年高人
(
トシタカビト
)
を讃頌した語なのです。
翁の発生
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
靈液
(
クシ
)
の
神
(
カミ
)
を
常世
(
トコヨ
)
の
少彦名
(
スクナヒコナ
)
とする處から見ても、まれびとによつて酒ほかひが行はれると見たことが知れる。
国文学の発生(第三稿):まれびとの意義
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
実の処、をこがましくも、春の鬼・
常世
(
トコヨ
)
のまれびと・ことぶれの神を説いてゐる私の考へも、曾て公にせられた先生の理論から、ひき出して来たものでありました。
翁の発生
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
志を賓客の納受した表出を見たいと望むのである。とこよたちは、長寿者たちの義で、第一義の
常世
(
トコヨ
)
の国は、富と、命と、恋の浄土とせられた古代の理想国である。
日本文学の発生
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
常世
(
トコヨ
)
の国から来るものをまれびとと呼んだ民間伝承の雁の上にも及んだものと考へられるのである。
「とこよ」と「まれびと」と
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
おもひかねの命を古事記には又、
常世
(
トコヨ
)
ノ
思金
ノ
神とも伝へてゐる。呪言の創始者は、古代人の信仰では、高天原の父神・母神とするよりも、古い形があつた様である。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
この
御酒
(
ミキ
)
は、吾が
御酒
(
ミキ
)
ならず。くしの神
常世
(
トコヨ
)
に
坐
(
イマ
)
す いはたゝす すくな
御神
(
ミカミ
)
の、
神寿
(
カムホキ
)
寿
(
ホ
)
きくるほし、豊ほき
寿
(
ホ
)
き
廻
(
モト
)
ほし、まつり
来
(
コ
)
し御酒ぞ。あさず
飲
(
ヲ
)
せ。さゝ(仲哀記)
村々の祭り
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
だから
常世
(
トコヨ
)
ノ
思金
(
オモヒカネ
)
ノ
神
(
カミ
)
といふ名も、呪言の神が常世から来るとした信仰の痕跡だと言へよう。田植ゑ時に考・妣二体或は
群行
(
グンギヤウ
)
の神が海から来た話は、播磨風土記に多く見えて居る。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
而もその呪詞は、此
土
(
くに
)
に生れ出たものとは、古代においては、考へられては居なかつた。即、古代人の所謂
海阪
(
ウナザカ
)
の、彼方にあるとした
常世
(
トコヨ
)
の国から齎されたもの、と考へたのである。
日本文学の発生
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
海の神が、元、海の彼方の
常世
(
トコヨ
)
の国の神であつた事は、既に、他に述べた事がある。
村々の祭り
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
時天照大神誨
二
倭姫命
一
曰、是、神風伊勢国則、
常世
(
トコヨ
)
之
浪
(
ナミ
)
ノ
重浪帰国也
(
シキナミヨスルクニナリ
)
。
傍国可怜国也
(
カタクニノウマシクニナリ
)
。欲
レ
居
二
是国
一
。故随
二
大神教
一
其祠立
二
於伊勢国
一
。因興
二
斎宮于五十鈴川上
一
。是謂
二
磯宮
一
。
日本文学の発生:――その基礎論――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
私の話はまれびとと「
常世
(
トコヨ
)
の国」との関係を説かねばならなくなつた。
古代生活の研究:常世の国
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
第一に「大祓へ」が、六月と十二月の
晦日
(
ツゴモリ
)
に行はれる様になつたのに目をつけてほしい。遠い海の彼方なる
常世
(
トコヨ
)
の国に鎮る村の元祖以来の霊の、村へ戻つて来るのが、年改まる春のしるしであつた。
若水の話
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
殊に鵠と雁とは、寿福の楽土なる
常世
(
トコヨ
)
国の鳥として著れてゐた。
万葉集研究
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
くしのかみ
常世
(
トコヨ
)
にいます
和歌の発生と諸芸術との関係
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
“常世”の解説
常世(とこよ)、かくりよ(隠世、幽世)とは、永久に変わらない神域。死後の世界でもあり、黄泉もそこにあるとされる。「永久」を意味し、古くは「常夜」とも表記した。日本神話や古神道や神道の重要な二律する世界観の一方であり、対義語として「現世(うつしよ)」がある。
(出典:Wikipedia)
常
常用漢字
小5
部首:⼱
11画
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
“常世”で始まる語句
常世国
常世邊
常世神
常世郷
常世波
常世島
常世暗
常世浪