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差向
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さしむかひ
御米は
小六と
差向に
膳に
着くときの
此氣ぶつせいな
心持が、
何時になつたら
消えるだらうと、
心の
中で
私に
疑ぐつた。
彼は
慥に僕を探偵と知つてるのです、其れで僕と
差向の時には、必ず僕に説教するのです、彼は
全然坊主ですナ、其真実の言葉が、此の心の
隅から隅まで
探燈で照らし渡る様に感じて
茶の
間を
濟ましてゐるうちに
午になつたので、
二人は
食事を
始めた。
小六が
引き
移つてから
此四五日、
御米は
宗助のゐない
午飯を、
何時も
小六と
差向で
食べる
事になつた。
其時代助は三千代と
差向で、より長く
坐つてゐる事の危険に、始めて気が
付いた。