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差伸
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さしのば
ふりがな文庫
“
差伸
(
さしのば
)” の例文
婦人
(
おんな
)
は
右手
(
めて
)
を
差伸
(
さしのば
)
して、
結立
(
ゆいたて
)
の
一筋
(
ひとすじ
)
も乱れない、お辻の高島田を
無手
(
むず
)
と
掴
(
つか
)
んで、づツと立つた。手荒さ、
烈
(
はげ
)
しさ。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その途端、女房はキャッと叫んだ、見るとその黒髪を
彼方
(
うしろ
)
へ
引張
(
ひっぱ
)
られる様なので、女房は右の手を
差伸
(
さしのば
)
して、自分の髪を抑えたが、その
儘
(
まま
)
其処
(
そこ
)
へ気絶して
仆
(
たお
)
れた。
因果
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
慶三はその場にどっしり
胡坐
(
あぐら
)
をかき大きな息をついたが、また何か急に思付いたように立上って、
先
(
まず
)
押入の襖を明けてその中を窺った後、次には窓際から
頸
(
くび
)
を
差伸
(
さしのば
)
して頻に下の様子を窺おうとした。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お通はこれが答をせで、
懐中
(
ふところ
)
に手を差入れて一通の書を取出し、良人の前に繰広げて、両手を膝に正してき。尉官は
右手
(
めて
)
を
差伸
(
さしのば
)
し、身近に
行燈
(
あんどん
)
を引寄せつつ、
眼
(
まなこ
)
を定めて読みおろしぬ。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
兼太郎は人のいないのを幸い番台へ寄りかかって顔を
差伸
(
さしのば
)
した。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
すぐに、手拭を帯に挟んで——岸からすぐに俯向くには、手を
差伸
(
さしのば
)
しても、
流
(
ながれ
)
は低い。石段が出来ている。苔も草も露を引いて皆青い。それを下りさまに、ふと
猶予
(
ためら
)
ったように見えた。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
伸
常用漢字
中学
部首:⼈
7画
“差”で始まる語句
差支
差
差覗
差向
差出
差俯向
差別
差当
差置
差配