“さしのば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
差伸85.7%
差延14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
慶三はその場にどっしり胡坐あぐらをかき大きな息をついたが、また何か急に思付いたように立上って、まず押入の襖を明けてその中を窺った後、次には窓際からくび差伸さしのばして頻に下の様子を窺おうとした。
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
お通はこれが答をせで、懐中ふところに手を差入れて一通の書を取出し、良人の前に繰広げて、両手を膝に正してき。尉官は右手めて差伸さしのばし、身近に行燈あんどんを引寄せつつ、まなこを定めて読みおろしぬ。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
窓から首を差延さしのばす種彦がびんの毛を何ともいえぬほどさわやかに軽く吹きなびかせる。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)