巨燵こたつ)” の例文
ハア巨燵こたつ——巨燵はとうに拵へて、今しがたおッ母さんの寝衣ねまきも掛けて置いたよ。アノネおッ母さん、晩方買つて来た炭団は大変に損だよ。
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
五「それは余りお固いお洒落でげすな、わたくしが洒落ましょう、斯ういうのは何うでございます、大黒様が巨燵こたつあたってるのでございます、大黒あったかいと」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
熊のたる跡へすはりしにそのあたゝかなる事巨燵こたつにあたるごとく全身みうちあたゝまりてさむさをわすれしゆゑ、熊にさま/″\礼をのべ猶もたすけ玉へと種々いろ/\かなしき事をいひしに
かけながら入來りしに長八夫婦が巨燵こたつの中に差向さしむかひ何かむつまじき咄しの樣子ゆゑ長兵衞は見て是はしたり相惚あひぼれの夫婦はまた格別かくべつたのしみな物私は此年になつても隨分ずゐぶん浦山うらやましいと放氣おどけまじりに贅口むだぐち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)