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山手
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やまのて
ふりがな文庫
“
山手
(
やまのて
)” の例文
「だって、おかみさんは何でしょう、弁天町に居たんでしょう。
山手
(
やまのて
)
だってそのくらいな事は心得てるものがありますぜ、ちゃんと探索が届いてまさ。」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
昨日の三重子は、——
山手
(
やまのて
)
線の電車の中に彼と目礼だけ
交換
(
こうかん
)
した三重子はいかにもしとやかな女学生だった。
早春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
昔は貧乏
御家人
(
ごけにん
)
の
跋扈
(
ばっこ
)
せし処今は
田舎
(
いなか
)
紳士の奥様でこでこ
丸髷
(
まるまげ
)
を
聳
(
そびや
)
かすの
地
(
ち
)
、元より何の
風情
(
ふぜい
)
あらんや。然れどもわが書庫に
蜀山人
(
しょくさんじん
)
が文集あり『
山手
(
やまのて
)
閑居
(
かんきょ
)
の
記
(
き
)
』
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
背後
(
うしろ
)
の
山手
(
やまのて
)
でお寺の鐘が、陰に籠ってゴオオ——ンンと来ますと、私は、もうイカンと思いました。スヤスヤ寝入っとる大惣を揺り起いて耳に口を寄せました。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
学校の
退
(
ひ
)
けたのが午後四時、それから片町の友達を訪ねたところが、無理に引留められて、六本木の近くにある「
山手
(
やまのて
)
ホテル」へ着いたのは午後七時を過ぎた頃だった。
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
だから家の横にも前にも、その
清冽
(
せいれつ
)
な水が繞っていた。この辺には、異人館も皆無だったし、混血児の友だちもいないし、以前の
山手
(
やまのて
)
環境とは、まったく空気がちがっていた。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
新子も、うなずいてアカシヤの並木道を、
山手
(
やまのて
)
の方へ並んで歩き出した。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「床屋にも何にも、下町じゃ何てますか、
山手
(
やまのて
)
じゃ、
皆
(
みんな
)
が火の玉の愛吉ッていいましてね、
険難
(
けんのん
)
な野郎でさ。」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新
(
あらた
)
に町制が敷かれたのと、
山手
(
やまのて
)
に遊園地が出来たのと、名所に石の橋が竣成したのと、橋の欄干に、花電燈が
点
(
つ
)
いたのと、従って景気が
可
(
よ
)
いのと、
儲
(
もうか
)
るのと
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(べらぼうめ、いくら
山手
(
やまのて
)
だってこう、赤城に芝居小屋のあった時分じゃねえ、見物の居る
前
(
めえ
)
で
生命
(
いのち
)
の取遣りが出来るかい、向う
崖
(
がけ
)
の原ッ
場
(
ぱ
)
までついて来い、殺してやる、来い!)
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“山手”で始まる語句
山手線
山手通