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居辛
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いづら
ふりがな文庫
“
居辛
(
いづら
)” の例文
いつまでも政枝の側に坐っていると段々「生きなければならない理由」を政枝に云って聞かす約束が迫って来るようないらだたしい気がして
居辛
(
いづら
)
かった。
勝ずば
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
八重田数枝のところに
居辛
(
いづら
)
くなって、そうして、こんどは僕の家へ飛び込んで来て、自惚れちゃだめよ、仕事の相談に来たの、なんて、いつもの僕なら
火の鳥
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
あたかも感覚が鈍くなったようで、お政が顔を
皺
(
しか
)
めたとて、舌鼓を鳴らしたとて、その時ばかり少し
居辛
(
いづら
)
くおもうのみで、久しくそれに
拘
(
かかずら
)
ってはいられん。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その反面に双方が
倦怠
(
けんたい
)
を感じたのも事実で、
終
(
しま
)
いには何か
居辛
(
いづら
)
いような気持もしたほど、周囲の
雰囲気
(
ふんいき
)
に暗い雲が低迷していることも
看逃
(
みのが
)
せないのであった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
丁度そんな話のあった頃から兼太郎は沢次の家にもどうやら
居辛
(
いづら
)
いようになって来た。初めの
中
(
うち
)
は旦那の
落目
(
おちめ
)
に寝返りをしたなどと言われては以前の
朋輩
(
ほうばい
)
にも合す顔がない。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
「こうして私、しょっちゅう出歩いたり泊ったりしているでしょう。私もう、うちには
居辛
(
いづら
)
くてしょうがないの……でねえ、あの話……どうなるの、早くきめてくれないこと?」
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
藤吉郎も
居辛
(
いづら
)
くなり
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
始終働きづめでいるお島は、こんなところへ来て、偶に遊ぶのはそんなに悪い気持もしなかったが、落着のない青柳や養母の目色を
候
(
うかが
)
うと、何となく気がつまって
居辛
(
いづら
)
かった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
自分は決していやだとも
居辛
(
いづら
)
いとも、そんな妙な心持にはならなかったであろう。
或夜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
市子はその時分
日蔭者
(
ひかげもの
)
の母親が
羨
(
うらや
)
ましがったほど幸福ではなく、縁づいた
亭主
(
ていしゅ
)
に死なれ、
姑
(
しゅうとめ
)
との折合いがわるくて、実家へ帰ったが、実家もすでに兄夫婦親子の世界で
居辛
(
いづら
)
く
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「どういう事情か知りませんが、この土地もちっと
居辛
(
いづら
)
くなったそうで、本人が急に東京へ帰りたいと言ってよこしましたから、お父さん同道で、昨夜の九時の夜行で立って来ましたよ。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
女は
居辛
(
いづら
)
かった田舎の嫁入先を逃げて来て、東京で間借をして暮していた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
浜町の出先の三階から落ちて打撲傷で気絶してしまい、病院へ
担
(
かつ
)
ぎこまれて
唸
(
うな
)
っていたと思うと、千七八百円の前借を踏み倒して、そこから姿を消してしまい、相撲の娘は売れないので
居辛
(
いづら
)
くなり
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
居
常用漢字
小5
部首:⼫
8画
辛
常用漢字
中学
部首:⾟
7画
“居”で始まる語句
居
居候
居睡
居所
居士
居間
居室
居眠
居合
居堪