寝耳ねみみ)” の例文
旧字:寢耳
「ほんとう?」と、達吉たつきちは、寝耳ねみみみずおもいで、あかぼうったまますと、脊中せなかは、のつくようにした。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれど、寝耳ねみみに水の変を聞いた、一とうのもののおどろきはどんなであったか。なかにも、小幡民部こばたみんぶはその急報きゅうほうをうけるとともに
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊藤公が先生にしかられたその瞬間しゅんかんに起こった一時の感情が同公をして政治家たらしめたかとただせば、その時始めて「寝耳ねみみに水」のごとくこの教訓が公の耳朶じだを打ったとは思われぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
これも全山ぜんざんの人には、寝耳ねみみに水のおどろきであったろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
休息する間もなく、寝耳ねみみに水を浴びせられた内匠頭は
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうもこうもあるもんか、寝耳ねみみみずだ。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)