トップ
>
宮戸座
>
みやとざ
ふりがな文庫
“
宮戸座
(
みやとざ
)” の例文
筋は無論、翁から割当てられたもので、自分たち二人はほとんどその口授のままを
補綴
(
ほてい
)
したに過ぎなかった。劇場は後の
宮戸座
(
みやとざ
)
であった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
まず須永の五六軒先には日本橋辺の
金物屋
(
かなものや
)
の隠居の
妾
(
めかけ
)
がいる。その妾が
宮戸座
(
みやとざ
)
とかへ出る役者を
情夫
(
いろ
)
にしている。それを隠居が承知で黙っている。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あいつがまだ浅草
田原町
(
たわらまち
)
の親の家にいた時分に、公園で
見初
(
みそ
)
めたんだそうだ。こう云うと、君は
宮戸座
(
みやとざ
)
か
常盤座
(
ときわざ
)
の馬の足だと思うだろう。ところがそうじゃない。
片恋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
翌日
(
あくるひ
)
の
午後
(
ひるすぎ
)
に
又
(
また
)
もや
宮戸座
(
みやとざ
)
の
立見
(
たちみ
)
に
出掛
(
でか
)
けた。
長吉
(
ちやうきち
)
は恋の二人が手を取つて
嘆
(
なげ
)
く美しい舞台から、
昨日
(
きのふ
)
始めて経験した
云
(
い
)
ふべからざる
悲哀
(
ひあい
)
の美感に
酔
(
ゑ
)
ひたいと思つたのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
翌日
(
あくるひ
)
の
午後
(
ひるすぎ
)
にまたもや
宮戸座
(
みやとざ
)
の
立見
(
たちみ
)
に出掛けた。長吉は恋の二人が手を取って嘆く美しい舞台から、
昨日
(
きのう
)
始めて経験したいうべからざる悲哀の美感に
酔
(
え
)
いたいと思ったのである。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
宮戸座
(
みやとざ
)
あたりに余命を保つ老優の技を見れば一挙一動よく糸に乗りをりて、決して観客を飽かしめざる事を経験し、余は旧劇なるものは時代と隔離し出来得るかぎり昔のままに演ずれば
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
平気な顔で
長
(
ちょう
)
ちゃんはあたいの
旦那
(
だんな
)
だよと
怒鳴
(
どな
)
った。去年初めて学校からの帰り道を待乳山で待ち合わそうと
申出
(
もうしだ
)
したのもお糸であった。
宮戸座
(
みやとざ
)
の
立見
(
たちみ
)
へ行こうといったのもお糸が先であった。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
平気な顔で
長
(
ちやう
)
ちやんはあたいの
旦那
(
だんな
)
だよと
怒鳴
(
どな
)
つた。去年初めて学校からの帰り道を
待乳山
(
まつちやま
)
で待ち合はさうと
申出
(
まをしだ
)
したのもお
糸
(
いと
)
であつた。
宮戸座
(
みやとざ
)
の
立見
(
たちみ
)
へ
行
(
ゆ
)
かうと
云
(
い
)
つたのもお
糸
(
いと
)
が
先
(
さき
)
であつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
曲り角に出してある
宮戸座
(
みやとざ
)
の
絵看板
(
えかんばん
)
を仰いだ。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
曲
(
まが
)
り
角
(
かど
)
に出してある
宮戸座
(
みやとざ
)
の
絵看板
(
ゑかんばん
)
を
仰
(
あふ
)
いだ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
“宮戸座”の解説
宮戸座(みやとざ、1896年 開業 - 1937年 閉館)は、かつて存在した日本の劇場である。東京・浅草にあった劇場で、1887年(明治20年)開館の吾妻座を改称した。歌舞伎、新劇双方の演目を興行した。
(出典:Wikipedia)
宮
常用漢字
小3
部首:⼧
10画
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
座
常用漢字
小6
部首:⼴
10画
“宮戸”で始まる語句
宮戸川
宮戸島
宮戸町