トップ
>
安逸
>
あんいつ
ふりがな文庫
“
安逸
(
あんいつ
)” の例文
あらゆる現世的な歓楽や
安逸
(
あんいつ
)
を無視して、——実はジャーナリズムに駆使されながら、——命を縮める思いで働いているのである。
随筆銭形平次:15 捕物小説は楽し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それによって
展
(
ひら
)
かれるであろうはかない最後の
安逸
(
あんいつ
)
を、早くもぼんやりと脳裡にえがいて、ひとりでに足の運びもはかどるのであった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
秀才だの半分天才などというものはもう無限の自由の怖しさに堪えかねて一定の標準のようなもので
束縛
(
そくばく
)
される
安逸
(
あんいつ
)
を欲するようになるのである。
家康
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
安逸
(
あんいつ
)
が嫌いで波瀾をこのむ、ぼんやりと物を見流さないで探奇心の目が光る。軽快であるはいいが
争気
(
そうき
)
が強い。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
懐旧の情の
赴
(
おもむ
)
くままにわがままに筆を運ぶつもりであるから、読者も我慢強い王様にでもなった気で、私の
安逸
(
あんいつ
)
を
咎
(
とが
)
められることがなければ、しあわせである。
安い頭
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
▼ もっと見る
苦労することを恐れて
安逸
(
あんいつ
)
をむさぼりたいと思うからこそ、少しのことに泣き言がいいたくなるのである。
青年の天下
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
かつて一度も
安逸
(
あんいつ
)
というものを、かつて一度も青春ののんきな怠慢を知らなかった。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
僕の妻としてのみ、あなたはそこへ這入ることが出來ます。僕の妻になることを否んで御覽なさい。するとあなたは永久に利己的な
安逸
(
あんいつ
)
と無價値な
卑
(
いや
)
しい
罠
(
わな
)
にあなたの身を閉ぢ籠めるのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
魂は決して
安逸
(
あんいつ
)
懶惰
(
らんだ
)
を願わない。魂は永遠に知識の前進に対する欲求を棄てない。人間的慾情、人間的願望は肉体と共に失せるが、魂には純情と進歩と愛との伴える、浄き、美しき生活が続く。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
(
安逸
(
あんいつ
)
を
貪
(
むさぼ
)
ってやがったのだから……)
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
安逸
(
あんいつ
)
の、
醜辱
(
しうじよく
)
の、
驕慢
(
けうまん
)
の
森
(
もり
)
の小路よ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
こうしているまに自分もつい
安逸
(
あんいつ
)
に馴れて、何も世にのこさぬうち老将の群れに入るのかと考えたら、堪らなく悲しくなって参ったのです——と、
沁々
(
しみじみ
)
、嘆息をもらしたという
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
安逸
(
あんいつ
)
すぎる日に馴れることを——討入前の心に変化の来ることを惧れるのだった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“安逸”の意味
《名詞》
安逸(あんいつ)
安心して楽しむこと。
何もせず遊んで暮らすこと。
(出典:Wiktionary)
安
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
逸
常用漢字
中学
部首:⾡
11画
“安”で始まる語句
安
安堵
安心
安房
安全
安芸
安穏
安土
安否
安宅