これ)” の例文
実は此娘これが嫁入の引出物にといふ積りで、はやくからお願ひ致しましたのですが、これも御覧の通りの妙齢としごろになりました。
助「いゝや今が今というのではありません、行儀を覚えさせるため来月お出入やしきの筒井様の奥へ御奉公にあげる積りですから、これさがるまでゞいんです」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「どうせこれのことは、体さえ軽くなればどうにでもなって行きますで。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「お父さま、これを見てやってくださいまし。」
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
わたくし長煩ながわずらいで、人参の入った薬を飲めば癒ると医者に申されましたが、長々の浪人ゆえ貧に迫って、中々人参などを買う手当はございませんのを、これが案じまして
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくしも此の橋本にお目に懸ったのですが、昔のことを仰しゃると面目次第もない、どうもねえ……これ芸妓げいしゃをして、娘は貴方それ七歳なゝつの時に御覧なすった峰と申す娘で
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なに運がい事も有りアしません、今じゃア腰がけて仕舞ってなんの役にも立たなく成ってますから、しかし毎度有難うございます、これ一人で何事も手廻りません処を貴方が水を汲んで下さったり
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)