トップ
>
妻室
>
かない
ふりがな文庫
“
妻室
(
かない
)” の例文
家へ帰ると、私は火鉢の傍で、一人で茶を入れて飲みながら、次の
室
(
へや
)
で小供を寝かしている
妻室
(
かない
)
に、その話をして聞かせた。
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「好いよ、
妻室
(
かない
)
や小供はここへ置いといて、この男と二人で男同志が寝るさ」クラネクはベルセネフに向って、「二人で一ぱいやりながら寝ようじゃないか」
警察署長
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
もう、三時でもあったろうか、夏生れた男の子が泣き立てているところへ、
何人
(
だれ
)
か女らしい客があって、
妻室
(
かない
)
は泣き叫ぶその子を抱きながら取次していたが
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
源は両親もない
妻室
(
かない
)
もない独身者の物足りなさと物悩ましさを、その少女に依って充たそうとしていた。
緑衣人伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
狸は山をおりて弘岡の下の村へ入り、其の庄屋の家の前へ往った。庄屋は此の狸奴、おれに化けておれの
妻室
(
かない
)
をばかすと見える、と思っておると、狸は其の庄屋と同じ声で
怪談覚帳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
はやく
妻室
(
かない
)
をもらって身を固めるがいい、そうなれば怪しい者だって寄りつかない
雷峯塔物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
わしは三年前に
妻室
(
かない
)
に死なれて、親類や
知人
(
しりびと
)
から後妻を勧められたが、小供に可哀そうじゃからと、どれもこれもことわって今日まで来たが、お前がわしの家に手伝いに来てくれてから
放生津物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そのうちに私のような者でも
妻室
(
かない
)
にしてくれる者があるなら、縁づきたいと思いまして、昨日江戸へ出て来ましたが、他に
知人
(
しりびと
)
もないので、困っておりますうちに、持病の
眩暈
(
めまい
)
が起りまして
山姑の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
今に
妻室
(
かない
)
と密会を続けておりましたが、それが、今晩、
貴君
(
あなた
)
に見られて殺されることになり、私の
怨
(
うら
)
みも
報
(
むく
)
いられましたが、私の両親はまだ何も知らずに、
彼
(
か
)
の
淫婦
(
いんぷ
)
に
欺
(
あざむ
)
かれておりますから
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
貴方
(
あなた
)
にはまだお判りになりますまいが、私はこの三年
前
(
ぜん
)
、
妻室
(
かない
)
を迎えるとともに、例によって山寺へ往って、学問をしておった者ですが、時おり私の家へ
使
(
つかい
)
にやっていた和尚が、
妻室
(
かない
)
を
誑
(
たぶら
)
かし
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
妻室
(
かない
)
がすこし怪しいから、急いで
医師
(
いしゃ
)
を呼んで来てくれないかね、ここを出て、右に五六軒往ったところに、赤い電燈の
点
(
つ
)
いた家がある、かかりつけの
医師
(
いしゃ
)
だから、僕の名を云えばすぐ来てくれる
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「お婆さん、私はまだ
妻室
(
かない
)
がないから、
媒人
(
なこうど
)
をたのみたいが」
断橋奇聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
私も不思議でたまらないから、
妻室
(
かない
)
に突かかるように云った。
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「これが私の
妻室
(
かない
)
ですよ」
虎媛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
“妻室”の意味
《名詞》
妻。女房。家内。
(出典:Wiktionary)
妻
常用漢字
小5
部首:⼥
8画
室
常用漢字
小2
部首:⼧
9画
“妻”で始まる語句
妻
妻子
妻君
妻籠
妻妾
妻戸
妻楊枝
妻覓
妻鳥
妻恋坂