夫限それぎり)” の例文
斯う云つた平岡は、急に調子をおとして、きわめて気のない返事をした。代助は夫限それぎりめなくなつた。やむを得ず
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
途中で話の緒口いとぐちを忘れた余は、再びそれを取り上げて、矢鱈やたらな区切から改めて読み出す勇気を鼓舞しにくかったので、つい夫限それぎりったようなものの
厚く張つた椅子の脊にりかゝつて、もう少しればいがと思つて耳をましてゐたが、おと夫限それぎりんだ。約一分も立つうちに、三四郎はヷイオリンの事を忘れた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「でも」とへんかほをするので、宗助そうすけ夫限それぎりけつして其事そのことさなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
宗助そうすけ夫限それぎり手紙てがみことにはめなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
二人ふたり夫限それぎりで、又しばらくあめおとを聴いた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)