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大赦
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たいしや
相續なさしめ銀五郎と名乘今に
繁昌なしけるぞお早親子は年立て後上の
大赦に逢ひ島より歸りしが傳吉之れも
憐れみ厚く世話なせしに
惡人のお早親子も傳吉が
徳に
感じ先非を
御
賞感有せられし事成れば
直に此
大赦の
中へ加へられ
終に御免にて
遠き八丈島より歸國にこそは及びけれ依て六右衞門へ
引渡しに相成其後三河町伊勢屋五兵衞にも
追々取年にて
養子千太郎死去に及びたるより家を
遂し浪人藤崎道十郎が
修羅の
亡執も此處に
浮み出て嬉く思ふなるべし果せる
哉惡事の
報い速かに
巡り來りてさしも申
詐りたる村井長庵が
奸謀も
悉皆く調べ上に相成
初て
貞婦お
光孝子道之助が善報の程は
神佛の
應護にも
預りし物成んと其
頃風聞なせしとぞ
偖其翌年に至りて
公儀に有難き
大赦の行はれけるに御
上にも久八が忠義の程を