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大王
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だいおう
おまえはまだ
知らないが、お
日さまは
空の
大王だ。
俺は、この
池の
王さまなんだ。なんとこの
池は
広いもんじゃないか。
優鈿大王とか
饂飩大王とやらに頼まれての
仕事、仏師もやり損じては大変と額に汗流れ、眼中に
木片の
飛込も構わず、恐れ
惶みてこそ作りたれ、
恭敬三昧の
嬉き者ならぬは
そこでかわずは、ぶとがうそをいったのだと
信じました。そして、やっと
安心しました。
空の
大王はお
日さまで、
池の
王さまは
自分だと
思ったのであります。
洪武二十八年、初めて諸王の封国に
就く時、道衍
躬ずから
薦めて燕王の
傅とならんとし、
謂って曰く、
大王臣をして侍するを得せしめたまわば、
一白帽を奉りて大王がために
戴かしめんと。
私は、この
大空を
毎日東から
西に
自由に
歩いている。おまえは、その
池をかってに
泳ぎまわることができる。
私は、
空の
大王と
呼ばれている。してみると、おまえは、
池の
王さまだ。