夏中なつぢう)” の例文
土地とちにて、いなだは生魚なまうをにあらず、ぶりひらきたるものなり。夏中なつぢういゝ下物さかなぼん贈答ぞうたふもちふること東京とうきやうけるお歳暮せいぼさけごとし。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
切首と申候と云ければ大岡殿見られて成程なんぢ首筋くびすぢには大きなるきずが見える其疵は又どうして付られしぞかくさずに申せと云れければ多兵衞はナニかくしませう此疵は一昨年の夏中なつぢう供先ともさきにて喧嘩けんくわ御座候節陸尺の七右衞門と申者にきら此通このとほりの疵に相成しと申ければナニ供先の喧嘩けんくわで切れ夫故其疵に成たるとなそれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)