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墓碣
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ぼけつ
ふりがな文庫
“
墓碣
(
ぼけつ
)” の例文
墓碣
(
ぼけつ
)
と云い、紀念碑といい、
賞牌
(
しょうはい
)
と云い、
綬賞
(
じゅしょう
)
と云いこれらが存在する限りは、
空
(
むな
)
しき物質に、ありし世を
偲
(
しの
)
ばしむるの具となるに過ぎない。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それはその頃
三
(
み
)
の
輪
(
わ
)
辺
(
へん
)
の
或
(
ある
)
寺に残っていた
墓碣
(
ぼけつ
)
の中で、寺が引払いにならない
中
(
うち
)
に、是非とも撮影して置きたいと思っていたものがあったためで。
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
霞亭の葬られた寺の事、北条氏の継嗣の事等であつただらう。巣鴨の真性寺に、頼山陽の銘を刻した
墓碣
(
ぼけつ
)
の立てられたのは、此より後九年であつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
月こそ変れ、先君内匠頭の命日である上に、
今生
(
こんじょう
)
の名残りというので、大石内蔵助を始め十余名の同志は、かねての
牒合
(
しめしあわ
)
せに従って、その日早く高輪泉岳寺にある先君の
墓碣
(
ぼけつ
)
に参拝した。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
使徒と聖母とは
不便
(
ふびん
)
なる人類のために憐を乞はんとて手をさし伸べたり。死人は
墓碣
(
ぼけつ
)
を搖り上げて
起
(
た
)
たんとす。惠に逢へる精靈は拜みつゝ高く
翔
(
かけ
)
り、地獄はその
腭
(
あぎと
)
を開いて犧牲を呑めり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
高いところで、見るともなしに見ているお角の耳へは、無論この二人の問答は入りませんが、満地の
墓碣
(
ぼけつ
)
の間にただ二人だけが、
低徊
(
ていかい
)
して去りやらぬ姿は、手に取るように見えるのであります。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかし錦橋のために立てられた石は、独り嶺松寺の
墓碣
(
ぼけつ
)
のみではなかつた。わたくしは黄檗山に別に錦橋の碑のあることを聞いた。そして其石面に何事が刻してあるかを知らむと欲した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
今わたくしがこれに
倣
(
なら
)
って、死後に葬式も
墓碣
(
ぼけつ
)
もいらないと言ったなら、生前自ら誇って学者となしていたと、誤解せられるかも知れない。それ故わたくしは先哲の異例に倣うとは言わない。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
大凡
(
おほよそ
)
改葬の名の
下
(
もと
)
に墓石を處分するは、今の寺院の常習である。そして警察は
措
(
お
)
いてこれを問はない。明治以降所謂改葬を經て、
踪迹
(
そうせき
)
の尋ぬべからざるに至つた
墓碣
(
ぼけつ
)
は、その
幾何
(
いくばく
)
なるを知らない。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
警視庁は廃寺等のために
墓碣
(
ぼけつ
)
を搬出するときには警官を立ち会わせる。しかしそれは
有縁
(
うえん
)
のものに限るので、無縁のものはどこの共同墓地に改葬したということを届け
出
(
い
)
でさせるに
止
(
とど
)
まるそうである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
墓
常用漢字
小5
部首:⼟
13画
碣
漢検1級
部首:⽯
14画
“墓碣”で始まる語句
墓碣銘