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埒
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らつ
ふりがな文庫
“
埒
(
らつ
)” の例文
自然の情合から流れる相互の言葉が、無意識のうちに彼等を駆って、
準縄
(
じゅんじょう
)
の
埒
(
らつ
)
を踏み超えさせるのは、今二三分の
裡
(
うち
)
にあった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何か變つたことがあつたら——と、この盜難を豫期するともなく、ガラツ八を附けて置いた平次、その日の朝のうちに一
埒
(
らつ
)
を聞込んで了ひました。
銭形平次捕物控:009 人肌地藏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
自然の情
合
(
あひ
)
から
流
(
なが
)
れる相互の言葉が、無意識のうちに彼等を駆つて、
準
(
じゆん
)
縄の
埒
(
らつ
)
を
踏
(
ふ
)
み超えさせるのは、
今
(
いま
)
二三
分
(
ぷん
)
の
裡
(
うち
)
にあつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
埒
(
らつ
)
が濟んでから、ガラツ八は今度ばかり九分通り自分の手柄にして貰つて、すつかり好い心持になつて居るのでした。
銭形平次捕物控:124 唖娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
翌る朝の
辰刻半
(
いつつはん
)
(九時)頃、その時はもうお専は、すっかり元気を取戻し、日頃の
媚態
(
びたい
)
へ輪をかけたような表情で、事細かに昨夜の一
埒
(
らつ
)
を話してくれました。
銭形平次捕物控:244 凧の糸目
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
生理状態は殆んど苦にする
暇
(
いとま
)
のない位、一つ事をぐるぐる回って考えた。それが習慣になると、終局なく、ぐるぐる回っている方が、
埒
(
らつ
)
の外へ飛び出す努力よりも
却
(
かえ
)
って楽になった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「万一、拙者がこの家へ來なければ、伜金之助、人手に掛つて殺された一
埒
(
らつ
)
を、御目付衆に訴へる——と」
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
生理状態は殆んど苦にする
暇
(
いとま
)
のない位、一つ事をぐる/\
回
(
まは
)
つて考へた。それが習慣になると、終局なく、ぐる/\
回
(
まは
)
つてゐる方が、
埒
(
らつ
)
の
外
(
そと
)
へ飛び
出
(
だ
)
す努力よりも却つて楽になつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
翌る日の朝、八五郎は明神下の平次の家へやつて來ると、前の日の一
埒
(
らつ
)
を事細かに披露に及ぶのでした。
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
晝の一
埒
(
らつ
)
を娘のお京さんから聽いて、事の切迫を覺つた鞍掛宇八郎は、鳴川留之丞に直々の掛合を
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは兎も角、宇佐美直記は、昨夜の一
埒
(
らつ
)
をかなり
巧
(
たく
)
みな話術で、平次に説明してくれました。
銭形平次捕物控:195 若党の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いゝとも、この一
埒
(
らつ
)
は笹野樣も御奉行樣も御存じだ。東作はお上でも持て餘した惡黨、それを
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何んだ、それぢやお千勢殺しの一
埒
(
らつ
)
がこんがらかつて、金六兄哥が持て餘したんだらう」
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今朝は寢起きの早いわけがあるんですよ。昨夜の一
埒
(
らつ
)
を聽いたんですか、姐さん」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
岡つ引風情に立入つたことを訊かれる不快さと、逢引きの冒險の一
埒
(
らつ
)
——武士としてあるまじき恥かしい所業を、いくらかでも嗅ぎつけて居るらしい平次の
口吻
(
くちぶり
)
が
癪
(
しやく
)
にさはつた樣子です。
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それより、先づ、お孃さんが、姿を隱したといふ一
埒
(
らつ
)
を承りませう。なアに、疲れたと言つてもたつた十五里の道を、二日で歩いた遊山旅で、時候が良いから、ろくに汗も掻きやしません。
銭形平次捕物控:270 転婆娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
津志田樣の仕打ちがあんまりなので、事と次第では、龍の口の目安箱にこの一
埒
(
らつ
)
を書いて投り込んでやると、大層な意氣込みで飛び出しましたが、それつきり戻らなかつたのでございます。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
驅け付けた八五郎は、手振り身振りでこの一
埒
(
らつ
)
を報告するのです。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
駆け付けた八五郎は、手振り身振りでこの一
埒
(
らつ
)
を報告するのです。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
關宿の城下に起つた、二十年前の三人侍の果し合ひの一
埒
(
らつ
)
。
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大黒屋の一
埒
(
らつ
)
は、それつきり忘れてしまひました。
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
山谷の春徳寺へ、三千兩奉納の一
埒
(
らつ
)
。
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
埒
漢検1級
部首:⼟
10画
“埒”を含む語句
埒外
放埒
一埒
放埒者
埒口
凡下放埒
不埒
不埒者
不埒千万
埒内
埒明
無埒
我儘放埒
放埒無頼
放埒無慚
放埒不覊
埒無
放埒病
新馬埒
横道不埒
...