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垂幕
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たれまく
ふりがな文庫
“
垂幕
(
たれまく
)” の例文
やがて
垂幕
(
たれまく
)
をわけ、しずしずとあらわれたのは、裸の上に、椰子の枯葉であんだ縄のようなものを、長くたらした奇怪なクイクイの神であった。
太平洋魔城
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
宮守をはずれたところでそっと
垂幕
(
たれまく
)
を上げて見ると、目に見える限りがぼっと白く、重い幕を垂れたようになっている。
遠野へ
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
「おい、君、もう一杯ここでやって行こう。」と、
海老茶
(
えびちゃ
)
色をした入口の
垂幕
(
たれまく
)
を、
無造作
(
むぞうさ
)
に開いてはいろうとした。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何とはなし重っ苦しい
垂幕
(
たれまく
)
の様な沈黙をやぶって口を開くのは大抵の時は千世子であった。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
奥まった
垂幕
(
たれまく
)
をはじいて、一同の黒い袋の代わりに、同じ作りの白い袋を着た、背の高い人物が現われるとうしろに二、三の黒い袋を従えて、それが広間中の黒い袋のあいだを縫って歩く。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
宿屋を出て、町の
街道
(
とおり
)
にくると、出たところに白い布の
垂幕
(
たれまく
)
をおろした、小さな箱形の馬車が二台並んでいた。
遠野へ
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
垂幕
(
たれまく
)
をあげて入ると、中は満員であった。やっと、二人が立つと、すぐ麻雀が始まった。
茶色っぽい町
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
珠玉
(
しゅぎょく
)
を
鏤
(
ちりば
)
めた
翡翠色
(
ひすいいろ
)
の王座に
招
(
しょう
)
じ、若し男性用の貞操帯というものがあったなら、僕は自らそれを締めてその鍵を、呉子女王の胸に懸け、常は
淡紅色
(
たんこうしょく
)
の
垂幕
(
たれまく
)
を
距
(
へだ
)
てて遙かに三拝九拝し
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鶯色
(
うぐいすいろ
)
の
緞子
(
どんす
)
の
垂幕
(
たれまく
)
、「
美人戯毬図
(
びじんぎきゅうず
)
」とした
壁掛
(
かべが
)
けの
刺繍
(
ししゅう
)
、さては誤って彼が
縁
(
ふち
)
を
欠
(
か
)
いた花瓶までが、
嘗
(
かつ
)
て覚えていたと同じ場所に、何事もなかったかのように澄しかえって並んでいたのだった。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
垂
常用漢字
小6
部首:⼟
8画
幕
常用漢字
小6
部首:⼱
13画
“垂”で始まる語句
垂
垂下
垂木
垂々
垂井
垂涎
垂髪
垂氷
垂簾
垂水