“たれまく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
垂幕72.7%
垂帳9.1%
帷幔9.1%
帷幕9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宮守をはずれたところでそっと垂幕たれまくを上げて見ると、目に見える限りがぼっと白く、重い幕を垂れたようになっている。
遠野へ (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
隣室をくぎった垂帳たれまくのふっくりとした襞の凹所くぼみは紫水晶のそれのような微妙な色彩いろあいをつけ出した。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おりから春の朧月が苑内の樹立こだちや湖を照らし紗の薄衣うすものでも纒ったように大体の景色をろうたけて見せ、諸所に聳えている宮殿の窓から垂帳たれまくを通してこぼれる燈火が花園の花木を朧ろに染め
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
右側には、階段扇形に後方なるかどを充し、一つの望楼にと通じている。そこから帷幔たれまくの掛った扉を通じて家の裡に入るようになっている。
きずは左第五第六肋骨間を貫き左心室に突入せる、正規の創形を有する短剣刺傷にして、算哲はへやの中央にてそのつかを固く握り締め、扉を足に頭を奥の帷幕たれまくに向けて、仰臥の姿勢にて横たわれり。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)