土鼠もぐらもち)” の例文
熟々つら/\かんがふるにてんとんびありて油揚あぶらげをさらひ土鼠もぐらもちありて蚯蚓みゝずくら目出度めでたなか人間にんげん一日いちにちあくせくとはたらきてひかぬるが今日けふ此頃このごろ世智辛せちがら生涯しやうがいなり。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
こんな奴は自分で自分の身体からだを弱くしようしようと掛かっている馬鹿者と見える。太陽の光線ひかりに当るのが左程さほどこわければ、来生らいせい土鼠もぐらもちにでも生れ変って来るがいい。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
乃公おれは丈夫の時には一日に三度も郵便を出しに行ってやった。もっとも途中で手紙を失くした事が三四遍あるけれど、それだって乃公は土鼠もぐらもちのように黙っていたから分りっこない。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)