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喜悦
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よろこぶ
忘れぬ心にて
生涯頭に頂かんと思ふが故に賣殘しぬ然るを先日
落して後を
種々と
探し求めて居しなり偖々嬉しき事哉と幾度となく
押戴き
喜悦體を
流し先頃大岡殿の申されしに父富右衞門は
蘇生せまじきものにもあらずとは此事なりと
喜悦こと限り無く
只々偏へに
名御奉行大岡樣の御
仁慈なりと奉行所の方に向ひ
伏拜み/\
感涙止めあへざりしも
道理なり
扨爰に亦穀屋平兵衞の
悴平吉は
段々吟味の末杉戸屋富右衞門は全く
無實の罪なること明白に
顯れ其節の
盜賊は