商店しやうてん)” の例文
はし欄干らんかんのさしてあかからぬ火影ほかげにはちかくの商店しやうてんはたらいてゐるをんなでなければ、真面目まじめ女事務員をんなじむゐんとしかえないくらい、たくみにそのうへかくしてゐる。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
九時頃くじごろだが、商店しやうてんまち左右さいうきやくつのに、人通ひとどほりは見掛みかけない。しづかほそまちを、四五間しごけんほどまへつて、小兒こどもかとおもちひさな按摩あんまどのが一人ひとりふえきながら後形うしろむきくのである。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)