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呑舟
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どんしゅう
ふりがな文庫
“
呑舟
(
どんしゅう
)” の例文
この垣よりも大いなる穴がある。
呑舟
(
どんしゅう
)
の魚をも
洩
(
も
)
らすべき大穴がある。彼は垣は
踰
(
こ
)
ゆべきものにあらずとの仮定から出立している。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一網打尽にして、
呑舟
(
どんしゅう
)
の
魚
(
うお
)
も
雑魚
(
ざこ
)
も逃さないようにするには、相当に大きい網が必要さ、花房一郎は今その網を張って居るのだよ
青い眼鏡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは
畢竟
(
ひっきょう
)
量を見るに急なために質を見る目がくらむのであり、
雑魚
(
ざこ
)
を数えて
呑舟
(
どんしゅう
)
の魚を取りのがすのである。
量的と質的と統計的と
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
逃げ散ったものはお構いなし、すでにこの
呑舟
(
どんしゅう
)
の魚であるところの道庵先生を得ているのだから——
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
貴族院議員、正四位、勲三等、子爵、
赤沢事嗣
(
あかざわことつぐ
)
……これが金毛九尾の古狐で、今度の事件の一番奥から糸を操っている
黒頭巾
(
くろずきん
)
だ。君等がよく取逃がす
呑舟
(
どんしゅう
)
の
魚
(
うお
)
という奴だ。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
日本左衛門という
呑舟
(
どんしゅう
)
の大魚は、遂にその晩、それ以上の追捕をつくすべくもありませんでしたが、ともあれ、
聖天
(
しょうでん
)
の
河
(
か
)
ッ
童
(
ぱ
)
穴以来、一同の心をなやましていた
仮面
(
めん
)
だけでも
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ウム、どうやら
呑舟
(
どんしゅう
)
の大魚が掛ったようだぞ。こりゃ面白い。頭で
綱引
(
つなび
)
きと来るか」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
三つになったばかりの早春死んだ女児の、みめ
麗
(
うる
)
わしく心もやさしく、釣糸噛み切って逃げたなまずは
呑舟
(
どんしゅう
)
の魚くらいにも見えるとか、忘却の淵に引きずり込まれた五、六行の言葉
創生記
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
然して威令の行わるる所、既に前に
瞻
(
み
)
て後に仰ぎ、聡明の及ぶ所、反って小を察して大を
遺
(
わす
)
る。貧者は獄に入りて
殃
(
わざわい
)
を受け、富者は経を転じて罪を免る、
惟
(
これ
)
傷弓
(
しょうきゅう
)
の鳥を取り、
毎
(
つね
)
に
呑舟
(
どんしゅう
)
の魚を漏す。
令狐生冥夢録
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
“呑舟”の意味
《名詞》
舟を丸飲みにすること。
(出典:Wiktionary)
呑
漢検準1級
部首:⼝
7画
舟
常用漢字
中学
部首:⾈
6画
“呑”で始まる語句
呑
呑気
呑込
呑噬
呑氣
呑吐
呑気者
呑口
呑乾
呑気屋