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取越
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とりこ
餘り
昨今忌はしい
事を
言はれると
死期が
近よつたかと
取越し
苦勞をやつてな、
大塚の
家には
何か
迎ひに
來るものが
有るなどゝ
騷ぎをやるにつけて
母が
詰らぬ
易者などにでも
見て
貰つたか
何處へお
客樣にあるいて
居たのと
不審を
立てられて、
取越しの
御年始さと
素知らぬ
顏をすれば、
嘘を
言つてるぜ
三十日の
年始を
受ける
家は
無いやな、
親類へでも
行きなすつたかと
問へば