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取卷
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とりまき
するが怪い者には決してござらぬと云に雲助共は
更に
聞入ずそんなら
酒代を置て
行只通してなるものかと半四郎一人を
取卷ける故半四郎も今は是非なく
覺悟を
極め
猶内懷にて胴卷を
確かと結び帶を
持出て
挨拶なし
斯雷の
鳴に女ばかりにて
淋き
折柄故晴るまで
咄給へと
取卷しかば彦兵衞は元來
辯舌能上方の名所又は女郎屋の
體等面白く
咄により老女も
興に入り
其許には何方に
住宅致され候やと尋ねけるに私しは御近處橋本町
願人坊主の
隣に
罷在て小間物
商賣致し候と云ふを