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双子縞
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ふたこじま
ふりがな文庫
“
双子縞
(
ふたこじま
)” の例文
役者の紋をつけた
双子縞
(
ふたこじま
)
の羽織は着ているが、どこか近在の者ででもあるらしい身体付から顔立まで芝居
者
(
もの
)
らしい所は少しもない。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
石田一等巡査の後ろの窓際に、
双子縞
(
ふたこじま
)
の
単衣物
(
ひとえもの
)
に白いシャツを着た富山の売薬会社の行商人みたいなのが腰かけていたが
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幸ひ日頃姿を變へる用意に拵へた羊羹色の紋附を裏返しにして、
双子縞
(
ふたこじま
)
の方を着て飛出したが、その時——顏を半分洗つて飛出した——と言つた筈だ。
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
双子縞
(
ふたこじま
)
の
単衣
(
ひとへ
)
に黒い小倉の角帯をしめ、或は赤ン坊の様に周囲を剃り落し、真中を固く饅頭形に残してあつた。丁度お椀の蓋でも被つて居るやうなものであつた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
蝶々とんぼの頭に、ほおかぶりをし、あらい
双子縞
(
ふたこじま
)
の裾をはしょって、パッチの脚をのぞかせたところは、年こそ八つか九つだが、
装
(
なり
)
と口だけは、例によっていっぱしの
兄
(
あに
)
イだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
双子縞
(
ふたこじま
)
の着物に、
小倉
(
こくら
)
の細い角帯、色の
褪
(
あ
)
せた黒の前掛をしめ、頭から濡れていた。雨と涙とでぐしょぐしょになった顔を、ときどき手の甲でこするため、眼のまわりや頬が黒く
斑
(
まだら
)
になっている。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その中にて小波先生は
双子縞
(
ふたこじま
)
の
単衣
(
ひとえ
)
に怪し気なる
夏羽織
(
なつばおり
)
、
白足袋
(
しろたび
)
雪駄
(
せった
)
にて黒眼鏡をかけし
体
(
てい
)
、貸座敷の書記さんに見まがひたる。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
上總屋に入つた曲者——左傷の五右衞門の着てゐた、羊羹色の紋附の裏は、
双子縞
(
ふたこじま
)
であつたといふ番頭の言葉が、咄嗟の間に平次の記憶に
蘇返
(
よみがへ
)
つたのです。
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鳥打帽
(
とりうちぼう
)
に
双子縞
(
ふたこじま
)
の
尻端折
(
しりはしおり
)
、下には長い毛糸の
靴足袋
(
くつたび
)
に編上げ靴を
穿
(
は
)
いた自転車屋の
手代
(
てだい
)
とでもいいそうな男が、一円
紙幣
(
さつ
)
二枚を車掌に渡した。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
木戸番の三太郎は、ちよいとした男前ですが、聲をつぶしてしまつて、職業的な
大鹽辛聲
(
おほしほからごえ
)
、
双子縞
(
ふたこじま
)
の
袷
(
あはせ
)
、手拭を肩に、行儀の惡い大
胡坐
(
あぐら
)
の、これは二十一二の若い盛りです。
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
双
常用漢字
中学
部首:⼜
4画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
縞
漢検準1級
部首:⽷
16画
“双子”で始まる語句
双子
双子山
双子宮
双子織
双子山颪
双子木綿
双子六兵衛