トップ
>
卵塔場
>
らんとうば
ふりがな文庫
“
卵塔場
(
らんとうば
)” の例文
と手を引合つて、もつれるやうに、ばら/″\寺の門へ駈けながら、
卵塔場
(
らんとうば
)
を、
灯
(
ともしび
)
の夜の影に揃つて、かあいゝ顔で振返つて
夜釣
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
十年振りでめぐり合った父が直ぐにここの土になろうとは、まるで
一晌
(
いっとき
)
の夢としか思われなかった。しかもその夢はおそろしい夢であった。
卵塔場
(
らんとうば
)
には春の草が青かった。
心中浪華の春雨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これを漸くに渡ると
卵塔場
(
らんとうば
)
があって、もと此処には
家
(
うち
)
でもありましたか只
石礎
(
いしずえ
)
ばかり残ってあるが、其の
後
(
うしろ
)
は森で、卵塔場について参ると
喜連格子
(
きつれごうし
)
の庵室
様
(
よう
)
のものがありまして
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
器量いっぱいの声を張り上げて、茂太郎は唄いながら、宮の台から
卵塔場
(
らんとうば
)
を突切って
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
田舎の
卵塔場
(
らんとうば
)
のようだ、今まで、あそこに寝ていたのか知ら……この霧と雨の中を、たった紙一枚の下に……火光がパッとさす、霧の
水球
(
みずたま
)
が、美しい
紫陽花
(
あじさい
)
色に輝いたかとおもうと、消えた。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
▼ もっと見る
それから花田が兵庫島に対してなおぶつ/\愚痴を並べているのを聴きますと——この町には山椒の木は少ない方だがそれでも町裏の製紙工場の社宅の傍にもあれば清光寺の
卵塔場
(
らんとうば
)
にもある。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
しかし幽霊が出るって言ったのは
磯
(
いそ
)
っ臭い山のかげの
卵塔場
(
らんとうば
)
でしたし、おまけにそのまたながらみ取りの
死骸
(
しがい
)
は
蝦
(
えび
)
だらけになって
上
(
あが
)
ったもんですから、誰でも始めのうちは
真
(
ま
)
に受けなかったにしろ
海のほとり
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
回向院
卵塔場
(
らんとうば
)
辺りへ、白衣をまといたる年若き女の亡霊姿を現出することありとて、近傍の居住者、尾に
鰭
(
ひれ
)
をつけて風説するにぞ、夜更けには同院境内を通行するもの一人もなかりしが、境内居住者
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
毒虫が苦しいから、もっと
樹立
(
こだち
)
の少い、広々とした、うるさくない処をと、寺の
境内
(
けいだい
)
に気がついたから、歩き出して、
卵塔場
(
らんとうば
)
の
開戸
(
ひらきど
)
から出て、本堂の前に行った。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勝手を知った庭伝いに
卵塔場
(
らんとうば
)
へ廻って自分の居間へ参り、隠して有りました所の
金包
(
かねづゝみ
)
を取出して、丁度百六拾金ばかり有りますのを、是を懐中へ入れて、そっと抜け出して来ました。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうしているうちに、お銀様の身は、いつか大きな松林の中へ隠れてしまいましたが、また暫くあって、その松林の一方から姿を現わしたところは、不祥ながら、それは一つの
卵塔場
(
らんとうば
)
でありました。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
新「金も何も、
私
(
わたくし
)
は
卵塔場
(
らんとうば
)
から逃げたので」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“卵塔場”の意味
《名詞》
墓場。墓地。
(出典:Wiktionary)
卵
常用漢字
小6
部首:⼙
7画
塔
常用漢字
中学
部首:⼟
12画
場
常用漢字
小2
部首:⼟
12画
“卵塔”で始まる語句
卵塔
卵塔婆
卵塔型
卵塔塲