“らんとうば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
卵塔場66.7%
乱塔場11.1%
卵塔婆11.1%
乱塔婆5.6%
蘭塔婆5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十年振りでめぐり合った父が直ぐにここの土になろうとは、まるで一晌いっときの夢としか思われなかった。しかもその夢はおそろしい夢であった。卵塔場らんとうばには春の草が青かった。
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
僧「前が一面乱塔場らんとうばで、裏はずうと山じゃな」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
浩さんの墓は古いと云う点においてこの古い卵塔婆らんとうば内でだいぶ幅のく方である。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし暗闇坂は車ののぼらぬほど急な曲った坂でその片側は全長寺ぜんちょうじの墓地の樹木鬱蒼として日の光をさえぎり、乱塔婆らんとうばに雑草生茂おいしげる有様何となく物凄い坂である。
次の部屋は一面の蘭塔婆らんとうば、舞台をぐっと薄暗くして、柳の自然木の下、白張しらはりの提灯の前に、メラメラと焼酎火しょうちゅうびが燃えると、塔婆の蔭から、髪ふり乱して、型のごとき鼠色ねずいろ単衣ひとえを着た若い女が