単身ひとり)” の例文
旧字:單身
この血の跡を慕い行かばその行先を突留め得べきが、単身ひとりにては気味悪しと、一まず家に立帰りて、近隣の壮佼わかもの究竟くっきょうなるを四人ばかり語らいぬ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ありがとう、それで何もかもわかった。ヨシ子が駄々をこねて、単身ひとりで佐賀へ行きかけたのは、どうも少々オカシイと思ったが……そこいらの消息を薄々感付いたんだナ」
空を飛ぶパラソル (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『こんなことでは本当ほんとう修行しゅぎょうにもなんにもなりはしない。気晴きばらしにすこ戸外おもてましょう……。』とうとうわたくし単身ひとりたき修行場しゅぎょうばかけ、あしのまにまに、谷川たにがわつたって
拝謁おめみえかなわざればとて、苦桃太郎単身ひとりして
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
一箇ひとり? あのお客は単身ひとりなのか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)