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卒
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にはか
ふりがな文庫
“
卒
(
にはか
)” の例文
書斎に掛けたる半身の画像こそその病根なるべきを知れる貴婦人は、
卒
(
にはか
)
に
空目遣
(
そらめづかひ
)
して物の思はしげに、例の
底寂
(
そこさびし
)
う
打湿
(
うちしめ
)
りて見えぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
金澤氏六代の増田東里には、
弊帚集
(
へいさうしふ
)
と題する詩文稿があることを、蒼夫さんに聞いた。わたくしは
卒
(
にはか
)
に聞いて弊帚の名の耳に熟してゐるのを怪んだ。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
貫一は
忙
(
いそがはし
)
く出迎へぬ。向ひて立てる
両箇
(
ふたり
)
は
月明
(
つきあかり
)
に
面
(
おもて
)
を見合ひけるが、
各
(
おのおの
)
口吃
(
くちきつ
)
して
卒
(
にはか
)
に言ふ能はざるなりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
わたくしは初め
卒
(
にはか
)
に紀行の此段を読んで、又
微
(
すこ
)
しく伊沢氏が曾て山陽を
舎
(
やど
)
したと云ふ説を疑はうとした。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼はその身の
卒
(
にはか
)
に
出行
(
いでゆ
)
きしを、
如何
(
いか
)
に
本意無
(
ほいな
)
く我の思ふらんかは
能
(
よ
)
く知るべきに。それを知らば
一筆
(
ひとふで
)
書きて、など我を慰めんとは
為
(
せ
)
ざる。その一筆を如何に我の嬉く思ふらんかをも能く知るべきに。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
“卒”の意味
《名詞》
(ソツ)下級の兵士。
(出典:Wiktionary)
卒
常用漢字
小4
部首:⼗
8画
“卒”を含む語句
何卒
卒業
軽卒
卒倒
匇卒
卒塔婆
卒然
卒中
匆卒
兵卒
卒直
卒去
輜重輸卒
喇叭卒
卒爾
獄卒
卒伍
士卒
卒気
怱卒
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