半鐘はんしよう)” の例文
半鐘はんしようの音だの、人の騷ぐ聲だのは聞えるけど、一體どこにどの位水が出たんだか、まるで分らないのよ。
梅龍の話 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
あかつきしもき、夕暮ゆふぐれきりけて、山姫やまひめ撞木しゆもくてて、もみぢのくれなゐさとひゞかす、樹々きゞにしきらせ、とれば、龍膽りんだう俯向うつむけにいた、半鐘はんしようあかゞねは、つきむらさきかげらす。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宗助そうすけ腕組うでぐみをしながら、もうそろ/\火事くわじ半鐘はんしよう時節じせつだとおもつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「解りましたよ、親分。鈴でも半鐘はんしようでも賣つて歩きますよ」