勝気かちき)” の例文
旧字:勝氣
数行すうこう主客しゅかくともに興たけなわとなり、談論に花が咲き、元気とか勝気かちきとかいさましい議論の風発せるあいだに、わが輩は退席せんとして玄関に出た。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
子供の時に Hydrocephalus ででもあったかというような頭の娘で、髪がや薄く、色があおくて、下瞼したまぶたが紫色を帯びている。性質はごく勝気かちきである。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
駄々だだで、それでいて老成ませ勝気かちきなところがあった。年は一つ上の八つだったと覚えている。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
さう云つて勝気かちきな秀子さんが坐ると、パチ/\と、女の子たちは手を叩きました。
仔猫の裁判 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
勝気かちきらしい加部小ツルは泣きもせず、しかし赤い顔をしてうつむいていた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
それよりは客扱い——ひげえた七難しちむつかしい軍人でも、訳の解らない田舎のばあさんでも、一視同仁に手の中に丸め込む客扱いと、商売上の繰廻くりまわしをグングン押切って奮闘する勝気かちきが必要なんだが
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ことに、伊那丸は父ににて勝気かちきなたち。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)