力餅ちからもち)” の例文
峠のじいさんばあさんがおもちをついて小屋に休んで行く人を待つように、わたしが皆さんにあげようと思う『力餅ちからもち』もできました。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼等は峠で力餅ちからもちなどを売っている家の子供たちであった。大きい方の子は十一二で、小さい方の子は七つぐらいだった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
いや、そんなことより、力餅ちからもちさへはぬ二人ふたりが、辨當べんたうのうまさうなのに、ごくりと一所いつしよをのんでおなかいてたまらない。……船頭おやぢさい糠鰊こぬかにしんで。……
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
僕はモー少し猶予があれば片瀬へ寄ってたつ口饅頭くちまんじゅうを買って鎌倉で力餅ちからもちを買って、浦賀へ廻って日本一の水飴を買って、金沢でズクを買って来ようと思ったがそうは廻り切れなかった
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
峠で力餅ちからもちを売りました、三四軒茶屋旅籠はたごのございました、あの広場ひろッぱな、……俗に猿ヶ馬場ばんば——以前上下のぼりくだりの旅人でさかりました時分には、何が故に、猿ヶ馬場だか
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この小僧さんも十歳ばかりの年ごろに、一生忘れられないような力餅ちからもちを味わったおかげで、りっぱな人になったと言いますよ。よくよく和尚さんのむちはこの小僧さんの身にこたえたのでしょう。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
……それよりして、倶利伽羅くりからかゝる、新道しんだう天田越あまたごえたうげで、力餅ちからもちを……べたかつたが澁茶しぶちやばかり。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それがこの『力餅ちからもち』です。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
時が時、折が折なんですから、実は何にも言出しはしませんでしたが、その日、広土間の縁の出張でばりに一人腰を掛けて、力餅ちからもちを食べていた、鳥打帽をかぶって、久留米のかすりを着た学生がありました。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)