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剥脱
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はくだつ
ふりがな文庫
“
剥脱
(
はくだつ
)” の例文
このままの形で降ったものか、それとも大きな岩塊の表層が
剥脱
(
はくだつ
)
したものか、どうか、これだけでは判断しにくいが、おそらく後者であろう。
小浅間
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
これは私の想像であるが、今より百年あるいは二・三百年経った後、この漆が
剥脱
(
はくだつ
)
して、もとの木肌があらわれたとき、その色彩と
陰翳
(
いんえい
)
はいかばかりすばらしいであろう。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
若い時の
白内障
(
しろそこひ
)
が、身體の異常な
衝動
(
シヨツク
)
で、
混濁
(
こんだく
)
した眼の水晶體が
剥脱
(
はくだつ
)
し、覺束なくも見えるやうになるといふ例は、
淨瑠璃
(
じやうるり
)
の
壺坂靈驗記
(
つぼさかれいげんき
)
の
澤市
(
さはいち
)
の例でも證明されることです。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
然れども武門の栄華は平民に取りて幸福を
剥脱
(
はくだつ
)
する秋霜なり、盆水一方に高ければ、他方に低からざるを得ず、権力の
積畳
(
せきでふ
)
せし武門に
自
(
おのづ
)
からなる腐爛生じ、
而
(
しか
)
して平民社界も
亦
(
ま
)
た敗壊し終れり
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
すぐ眼の前に隣家の小さな土蔵が見え、屋根近くその白壁の一ところが
剥脱
(
はくだつ
)
していて
粗
(
あら
)
い
赭土
(
あかつち
)
を露出させた寂しい眺めが、——そういう
些細
(
ささい
)
な部分だけが、昔ながらの面影を
湛
(
たた
)
えているようであった。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
▼ もっと見る
瞳
(
ひとみ
)
もなくただ真白い眼というものは不思議だ。彩色が
剥脱
(
はくだつ
)
して、底の白い色のみが残ったのだという。法隆寺金堂の
釈迦
(
しゃか
)
三尊とちがって、木造の故か、鳥の作としても柔い感じを与えられる。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
私は塔をみあげながら金堂の後を
廻
(
まわ
)
って、案内人に導かれつつ慎んで
扉
(
とびら
)
の内へ入ったのである。
仄暗
(
ほのぐら
)
い堂内には
諸々
(
もろもろ
)
の仏像が佇立し、
天蓋
(
てんがい
)
には無数の天人が奏楽し、周囲には
剥脱
(
はくだつ
)
した壁画があった。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
“剥脱”の意味
《名詞》
表面を覆う物が剥げて落ちること。
(出典:Wiktionary)
剥
部首:⼑
10画
脱
常用漢字
中学
部首:⾁
11画
“剥”で始まる語句
剥
剥製
剥落
剥出
剥奪
剥身
剥取
剥離
剥啄
剥繰