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前院長
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ぜんいんちょう
初めちょっと
彼には
前院長に
気が
付かぬようであったがやがてそれと
見て、その
寐惚顔には
忽ち
冷笑が
浮んだので。
『どうぞ
閣下これをお
召し
下さい。』と、ニキタは
前院長の
前に
立って
丁寧に
云うた。『あれが
閣下のお
寐台で。』と、
彼は
更に
新しく
置れた
寐台の
方を
指して。
折しもモイセイカは
外から
帰り
来り、そこに
前院長のいるのを
見て、
直に
手を
延し