刀背みね)” の例文
と、背にある太阿たいあノ剣をぬきはなった。そして剣の刀背みね眉間みけんに立てて何やら一念、呪文じゅもんをとなえるらしい姿であった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれうちかへるととも唐鍬たうぐはつけた。なた刀背みねてつくさびんでさうしてつてうごかしてた。つぎあさからもう勘次かんじ姿すがたはやし見出みいだされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すぐ持ち直すその白い刀背みねをとおして、あらあらと必殺の息をととのえ直しては、尊氏を中にはさんで
刀の柄糸つかいとよじりぎみに、右手めては深く左手ゆんでは浅く、刀背みね蛇眼だがんをすえて寄る平入身ひらいりみ——。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その細い刀背みねからつばにかけて、微かに雪がつもるほど動かずにあった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)