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傷物
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きずもの
ふりがな文庫
“
傷物
(
きずもの
)” の例文
「うむ、いずれみな、
檻車
(
かんしゃ
)
に乗せて、
開封
(
かいほう
)
東京
(
とうけい
)
の
朝
(
ちょう
)
へ差立て、皇帝からお
褒
(
ほ
)
めをいただくわけだが、しかしそれまでは、
傷物
(
きずもの
)
にしてはならん。大事にしておけよ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
男といふものは、
厩
(
うまや
)
へ預ければ馬に蹴られるし、女部屋へ預ければ魂を抜き取られるし、
女房
(
かない
)
の手に帰つて来る折には、十が八九
傷物
(
きずもの
)
になつてゐるものなのだから。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「千五百
両
(
りょう
)
でも、二千
両
(
りょう
)
でも
買
(
か
)
うが、
惜
(
お
)
しいことには
手
(
て
)
が
欠
(
か
)
けている。
私
(
わたし
)
は、もとから
傷物
(
きずもの
)
は
大
(
だい
)
きらいなんだ。千
両
(
りょう
)
でも、じつは
考
(
かんが
)
えているんだ。」と、
金持
(
かねも
)
ちはいいました。
天下一品
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「何しろ身分が身分なんだから、それは大したものに違ひなからうからな、一々
開
(
あ
)
けて
檢
(
しら
)
べて見るなんて出來た譯のものではなからう。つまり偶然に、斯うした
傷物
(
きずもの
)
が俺に當つたといふ譯だ……」
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
「お、
奥
(
おく
)
さん、こんなに
傷
(
きず
)
がついてしまいました。
傷物
(
きずもの
)
になっては、
主人
(
しゅじん
)
にいいつかった
値
(
ね
)
では、どこへいったって
売
(
う
)
れません。ど、どうかこのすいかを
買
(
か
)
ってください。」と、
顔
(
かお
)
を
赤
(
あか
)
くして
初夏の不思議
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
傷
常用漢字
小6
部首:⼈
13画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“傷”で始まる語句
傷
傷痕
傷手
傷負
傷々
傷口
傷寒
傷心
傷所
傷痍