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何物
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なに
ふりがな文庫
“
何物
(
なに
)” の例文
雪国のクリスマス——雪国の測候所——と言っただけでも、すでに
何物
(
なに
)
か君の想像を動かすものがあるであろう。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
眩
(
まばゆ
)
い許りの
戸外
(
そと
)
の明るさに慣れた眼には、人一人居ない
此室
(
ここ
)
の暗さは
土窟
(
つちあな
)
にでも入つた様で、暫しは
何物
(
なに
)
も見えず、グラ/\と
眩暈
(
めまひ
)
がしさうになつたので
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
喇叭
(
らつぱ
)
ある
人
(
ひと
)
は
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹奏
(
なら
)
し、
何物
(
なに
)
も
無
(
な
)
き
人
(
ひと
)
は
双手
(
もろて
)
を
擧
(
あ
)
げて、
聲
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに
帝國萬歳
(
ていこくばんざい
)
!
帝國海軍萬歳
(
ていこくかいぐんばんざい
)
を
連呼
(
れんこ
)
せられよ、だん/″\と
近
(
ちか
)
づく二
隻
(
そう
)
の
甲板
(
かんぱん
)
、
巡洋艦
(
じゆんやうかん
)
の
縱帆架
(
ガーフ
)
に、
怪艇
(
くわいてい
)
の
艇尾
(
ていび
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
妾
(
わたくし
)
が
彼
(
あ
)
の邸へ縁付きましてから、今年で丁度
満
(
まる
)
五年その間別に変わった事もございませんでしたが、今から十日ほど
以前
(
まえ
)
の晩、時刻は
子
(
ね
)
の刻過でもありましょうか、薄暗い
行燈
(
あんどう
)
のかげに
何物
(
なに
)
か居て
お住の霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私が行くと、毛虫の様な頭を振立てゝ、
接踵
(
ぞろぞろ
)
出て来て、何れも母親に
肖
(
に
)
た大きい眼で、無作法に私を見ながら、鼻を
顰
(
しか
)
めて笑ふ奴もあれば、「
何物
(
なに
)
持つて来たべ?」と問ふ奴もある。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
「父さん、
何物
(
なに
)
か——」と種夫は見つけて、父に
縋
(
すが
)
りつく。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“何物”で始まる語句
何物か