低能ていのう)” の例文
また、しゅうとも、しゅうとめも、かわいがってはくれましたけれど、むこというひとは、すこし低能ていのうまれつきであることがわかりました。
海ぼたる (新字新仮名) / 小川未明(著)
村の誰彼が彼を目して、低能ていのうといい、阿呆といい、お人よしといい、全く馬鹿のひとつおぼえ、「長久命ちょうきゅうめいの長助」だと、嘲笑して居ることも知って居る。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
平生へいぜいからお人好ひとよしで、愚圖ぐづで、低能ていのうかれは、もともとだらしのないをとこだつたが、いままつた正體しやうたいうしなつてゐた。かれ何度なんどわたしかたたふれかゝつたかれなかつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
すこし低能ていのうな顔だちだが、目だけはずるく光っている。とりみたいな髪の毛をわらでむすび、まッ黒によごれた山袴やまばかまをはいて、腰にはさやのこわれを、あけびのつるでまいた山刀一本さしていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは僕も知っている有名な低能ていのうである。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ああ、やっぱりこいつは低能ていのうだな。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)