)” の例文
其宮廷の祭に於いても、主上が人々の上に臨んで宣布せられる詞章は、ハジメに、一度来臨した尊いまれびとの発言せられた、と信じられて来たものなのである。
そんな小な事件が起つて、注意を促してすら、そこに、曾てウルハしい福田と、寺の創められたを、思ひ出す者もなかつた程、それは/\、微かな遠い昔であつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
そんな小な事件が起つて、注意を促してすら、そこに、カツウルハしい福田と、寺のハジめられたを、思ひ出す者もなかつた程、それは/\、微かな遠い昔であつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そんな小さな事件が起つて、注意を促してすら、そこを、曾てウルハはしい福田と、寺の創められたを、思ひ出す者もなかつた程、それは/\、微かな遠い昔であつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
だから、民俗は研究せられても、古代生活を対象とする国学の補助とはならなかつた。むしろ、上ッ代ぶり・オトぶりの二つの区劃を、益明らかに感じさせる一方であつた。
古代研究 追ひ書き (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
初春の聖水は、復活の威霊の寓りとして、変若水ヲチミヅ信仰の起因となつたものである。天子のみ替りを以て、御子ミコの断えざる復活の現象と考へ、其を促す力を水にあるものと見たのである。
いにしへの 生き苦しみし人びとの ひとを見るも、虚しきごとし
文学を愛づる心 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
其間に、舞台は頻りに進んで行く。私は、人間の滅亡を、唯傍視してゐるばかりであつた。若いの延若もよかつた。魁車もよかつた。その為に生れて来た人たちだと言つても、誰がアラガふであらう。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)