人肉じんにく)” の例文
人肉じんにくを食とするか如きも我々の習慣しふくわんより言へはいとふ可き事、寧恐る可き事には有れど、野蠻未開國やばんみかいこくの中にはげんに此風の行はるる所有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
悪魔あくまいまにくほつする、もとむる……ほとけ鬼女きぢよ降伏がうぶくしてさへ、人肉じんにくのかはりにと、柘榴ざくろあたへたとふではいか。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
田熊社長は、電話で話は盗めても、その人肉じんにくの入った壜を盗視できないことをたいへん口惜くやしがった。
人間灰 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼が盗んだ首から様々の人肉じんにくの面を製造したという、この考えは……
百面相役者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
人肉じんにくにして若し他の肉類にくるゐひとしく食用に供されしものならは其調理法てうりはうに於ても亦同樣どうやうなりしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
は曾てコロボックルは人肉じんにくくらひしならんとの事を云ひしが、此風習このふうしふは必しも粗暴猛惡そぼうまうあくたみの間にのみ行はるるには非ず、且つ人肉は决して彼等かれら平常へいじよう食料しよくれうには非ざりし事
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)