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ひとめ
ふりがな文庫
“
人眼
(
ひとめ
)” の例文
無学な漁夫と
税吏
(
みつぎとり
)
と
娼婦
(
しょうふ
)
とに
囲繞
(
いにょう
)
された、
人眼
(
ひとめ
)
に遠いその三十三年の生涯にあって、彼は比類なく深く善い愛の所有者であり使役者であった。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
あの沢山の
人眼
(
ひとめ
)
の中を練りながら、その腹の中の人間を殺せようとは誰も考えつかない。行燈下の手暗がり。そこを狙ってやったことなんです。
平賀源内捕物帳:山王祭の大像
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
身をもってやり通そうと誓ってやって来た年来の実行も、まだ
人眼
(
ひとめ
)
から見れば、やり足りていなかった。——そうだ、これからも、身をもって信念を実行に示してゆく。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これが西洋物だと、何か洒落たことをいいながら、
人眼
(
ひとめ
)
もなく抱きつく。キッスする。いとも
華
(
はな
)
やかなる場面だが、たしなみの深かった昔の日本人だから、そうは行かない。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
幸いあたりに睡る博士の
外
(
ほか
)
に人はなし、秘密の研究室は自分の外に
人眼
(
ひとめ
)
というものがない。
共軛回転弾:――金博士シリーズ・11――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
……だがまた何んだかなつかしい、恋しい思いの湧き起こるのは不思議じゃないか、丁度
人眼
(
ひとめ
)
を忍んで
媾曳
(
あいびき
)
する夜の、罪と喜びとの
融
(
と
)
け合った、その恋しさがこの歌の調子に似ているぞえ。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その隣は娘のお
艶
(
えん
)
の部屋になって居りますが、お艶は朝から取込みで、階下の両親の部屋に逃避して居り、此辺は家中でも一番
人眼
(
ひとめ
)
の
疎
(
うと
)
いところで、下女のお六の達者さでも、不意を喰っては
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
人眼
(
ひとめ
)
に立つようになってからでは奉公人の口がうるさい今のうちならとかく
繕
(
つく
)
ろう道もあろうと父親にも知らせずそっと当人に
尋
(
たず
)
ねるとそんな覚えはさらさらないと云う深くも追及しかねるので
腑
(
ふ
)
に落ちないながら
一箇月
(
いっかげつ
)
ほど捨てておくうちにもはや事実を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
“人”で始まる語句
人
人間
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